モーリス・ユトリロ展2010

チケットです

新宿・損保ジャパン東郷青児美術館で開催中の、
『モーリス・ユトリロ展』 に行きました。

ユトリロといえば、パリの町並み。
あまり思い入れのある画家ではないので、多分じっくり観るのは今回が初めて。
過去の展覧会で、数点くらいしか作品は観たことがないと思います。

今回の作品は、日本初上陸となる90余点だそうで。

ユトリロは、15歳でアルコール中毒になり、
治療の一環として絵を描き始めます。

そして、母親&義父 (といっても、ユトリロの友人) の生活費を稼ぐため
絵筆を握らされ、幽閉され、絵を描く日々。

そういう先入観を抜きにしても、ユトリロの絵から感じるのは淋しさ。

カルボネルの家、トゥルネルの河岸

なんだろう?
なんでこんなに淋しいんだろう?

町並みを描いていても、人々があまり居ないからなのか?

イル・ド・サンジュ酒場にて、ゴブラン、パリ

どうもそうじゃないみたい。
しばらく絵を眺めていて気づきました。

空気を感じないんだ。

雪の通り、モンマルトル

風景画だったら、その景色の空気。匂い。光。
そういうものが伝わってくるのに、それが感じない。

画家が其処に居て、感じ取ったものを絵の中に描き入れる。
そのときの感情そのものが伝わってこない。

幽閉されていて、実際に街中は歩けないわけだし。
絵ハガキをもとに描いた作品もあることを知って、なんか納得しちゃった。

絵自体は、確かに綺麗で一般ウケしそうだけど、
なんだか空虚な印象。

そうか。これは風景画だけど、ユトリロの心象風景なのかも。

どれも似た風景、どよんとした雰囲気。
ルーチンワークで絵を描き続けたからなのか?

その中で、「あ、ちょっと明るい気分の時があったのかも?」と感じた一枚はコレ。

サン・バルテルミィ広場と教会、ムラン

雲が浮かんでいて、なんだかちょっとこっちも明るい気分になりました。

でもね、全体的にはすごく重たくて暗い。

ミュージアムショップに売られているポストカードのほうが
とっても明るくて、綺麗なんだもの(笑)
このポストカードの絵なら、売れると思う!!!

      ※ ちなみに、この記事に使った画像は、ポストカードです。キレイでしょ?w

実際の絵より、ポストカードのほうが印象が良い画家は初めてだ(笑)
そういう意味で貴重な経験をしましたw

-----------------------
『モーリス・ユトリロ展』
損保ジャパン東郷青児美術館
2010年4月17日(土)~7月4日(日)
午前10時~午後6時まで(金曜日は午後8時まで)
月曜日休館

この記事へのコメント

  • タッジーマッジー

    白の時代がメインのようですね。
    お恥ずかしながら、美術の教科書で初めてみました。
    胸が締め付けられるような白と、
    不自然にゆがんだラインを見たとき、
    いつか本物を見てみたいと思ったなぁ。
    特に白のマチエールは近くで感じてみたいです。
    2010年06月29日 20:38
  • 単騎

    空が描かれてる部分が少ないのも寂しさを感じる一因のような気がしますね。
    2010年06月29日 21:47
  • ChatBleu

    ユトリロの絵って、優しい絵の印象がありましたが、淋しい…なるほど~。しかも、そんな背景があったとは。
    2010年06月29日 21:59
  • もにょち

    …すみません^^;
    知らない画家さんですが…悲しい状況で描いていたのですね…
    2010年06月29日 22:12
  • リュカ

    タッジーマッジーさん
    すごい!美術の教科書の絵で、そこまで感じるのは凄いです!
    胸が締め付けられるような白。
    まさにそうだと思います。
    ユトリロを見た後、常設のゴッホの「ひまわり」をみて、心が明るくなりました(笑)


    単騎さん
    あ、ほんとだ。
    確かにそうかもしれないです。空が少ないですよね。
    なんだかとても空虚なイメージでした。


    ChatBleuさん
    印刷物で見る、ユトリロの絵は確かにキレイで優しいです。
    でも本物は、なんだかお面みたいで・・・こういう絵、初めてです。


    もにょちさん
    助けてと書いた紙を、窓の外から投げたというエピソードもありました。
    幽閉状態で絵を描いて、どんな気持ちだったのでしょうね。
    2010年06月29日 22:29
  • green_blue_sky

    青色が目立ちますが、印象に残りますね。
    7月4日まで・・・見に行けない。

    あお君とキジトラさん、メタボにしないようにしましょう(;^_^A アセアセ・・・
    2010年06月29日 22:33
  • kou

    リュカさんのように、きちんと美術館巡りを今年こそはしなくてはと思いながら、半年が過ぎてしまいました。(^^;
    ユトリロは名前を知ってはいるものの詳しくなかったのですが、アルコール中毒だった時期があるのですね。
    2010年06月29日 22:33
  • nano

    全く存じ上げませんがヾ(´▽`;)ゝ
    ポストカードや絵本の挿絵なんかに
    合いそうな?いい雰囲気ですね♪
    2010年06月29日 22:58
  • リュカ

    green_blue_skyさん
    けっこう前から開催していたのですが、
    なかなか予定がつかず、会期後半に観に行くことになってしまいました(笑)
    キジトラさんも、あおも、メタボ注意ですね~~~


    kouさん
    7月8月も、いろいろ展覧会行ってきます!!
    ユトリロの人生・・・幽閉人生(笑)
    ユトリロよりも、感情が絵にあらわれるゴッホのほうが好きだなって思いました^^


    nanoさん
    そうなんです。ポストカードにはもってこいの作品です。
    でも、本物を見てしまったので、ほんとは気分が重たくなる絵だって
    分かっちゃった(笑)


    たまちゃん
    パリの町並みといえば、ユトリロみたいな感じになってしまった画家ですが、
    実際は幽閉されていたので、町並みを堪能は出来なかったと思われます(笑)
    2010年06月29日 23:46
  • mami

    私も見に行きました。
    ユトリロは昔は凄く人気があったんですけどね。
    日本人にとってパリがまだまだ遠かった時代に、パリの風景を想像させてくれたからでしょうか。

    人間不信で、だからこそ人恋しくて、という寂しさが感じられますね。
    2010年06月30日 00:05
  • リュカ

    mamiさん
    観に行ってましたよね^^
    mamiさんのブログで、ユトリロの生い立ち知りましたもの♪
    ユトリロの描いたパリの町並み。
    オシャレだな~~って思った記憶あります。
    教会に祈る姿を想像したら、ちょっと切なくなりました。
    2010年06月30日 08:05
  • PylorI

    寂しい絵の割には…
    色彩はあざやかなんですね…
    2010年06月30日 08:14
  • リュカ

    これね、ポストカードなので鮮やかに見えます。
    ホントの絵は、もっと印象が違うんですよ。
    ユトリロのポストカードは、素敵な印象に変わるので不思議。
    他の画家だと、たいていはポストカードをみて
    「やっぱり印刷だからね・・・」と、がっかりするんですけどね(笑)
    2010年06月30日 08:18
  • ikuko

    ユトリロ展、見てみたいー!
    大阪はないのかな・・。あとで調べてみます!
    2010年06月30日 12:27
  • リュカ

    この展覧会は、残念ながら巡回展ではないみたいですね(TT)
    せっかくいろいろ日本にきているのだから
    各地を巡回すればいいのにね。
    2010年06月30日 19:40
  • リュカさんのような感性で絵を見れると
    いろんな絵に関する情景が浮かんで楽しめそうですね。
    2010年06月30日 21:05
  • リュカ

    自分が絵の中に入り込んだ気分になる絵が
    一番好きです(^^)
    そこから勝手に物語りを展開して楽しんだりしてます。
    歌も映画も♪
    感情移入出来るものが好きなのでした(笑)
    2010年06月30日 21:38
  • moz

    ぼくも行きましたよ。
    そして、リュカさんと同じような感想持ちました。
    ユトリロの生涯の解説文を読むと、とてもかわいそうになって・・・、
    そのせいか、画もその感情抜きには見られませんでした。
    こんなに一度にユトリロミタコトはなく、その意味ではきちょうな展覧会だと思いました。
    何より、ぼくは、彼の画く人物にとても興味を持ちました。
    機会があればぼくも画きたいと思っています。 ^^
    2010年07月01日 06:21
  • リュカ

    私も、これだけ多くのユトリロの作品を観たのは初めて。
    観に行って良かったって思います。
    そうじゃなかったら、綺麗なパリの絵を描く人ね、で終わっていたかも(笑)
    人物も、いろいろ感じますよね。
    mozさんの絵、見てみたいです^^
    2010年07月01日 07:41
  • moz

    すみません・・・、ぼくが画くのではなくて、ブログに展覧会の感想を書く出した・・・ ^^;
    画くのも好きですが、そんな大それてはいないです ^^;
    でも、今年は展覧会不作かと思っていたら、結構、良いのが続いています。西洋美術館も面白そう ♪
    2010年07月01日 20:35
  • リュカ

    あははは(笑)
    mozさんの絵が観られるのかと思いましたww
    今年、なにげに面白い展覧会がきてますよね。
    西洋美術館は、明日、仕事の帰りに行ってみるつもりです♪
    初めて日本にやってくる美術館なのですよね~。
    どんな作品がみられるか、楽しみです。
    2010年07月01日 20:50
  • シービーちゃん

    「ユトリロ」---初めて耳にしました。
    リュカさんの記事の通り、綺麗なんだけど、なんだか淋しげで、冷たい感じがしますね。やっぱり、生活や背負っていたものが、作品に出ているんでしょうか。人間が描かれていないのは、ひょっとしたら人間が嫌いだったのかも!
    2010年07月02日 08:31
  • リュカ

    シービーちゃん
    そうなんですよ。ユトリロ、人間不信だったみたいです。
    母やのちに結婚して、そしてその妻に幽閉されて
    絵を描いていたそうです。
    いろいろ心に思うものはあったのだろうなって思います。
    2010年07月02日 19:34

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