
新宿・損保ジャパン東郷青児美術館で開催中の、
『モーリス・ユトリロ展』 に行きました。
ユトリロといえば、パリの町並み。
あまり思い入れのある画家ではないので、多分じっくり観るのは今回が初めて。
過去の展覧会で、数点くらいしか作品は観たことがないと思います。
今回の作品は、日本初上陸となる90余点だそうで。
ユトリロは、15歳でアルコール中毒になり、
治療の一環として絵を描き始めます。
そして、母親&義父 (といっても、ユトリロの友人) の生活費を稼ぐため
絵筆を握らされ、幽閉され、絵を描く日々。
そういう先入観を抜きにしても、ユトリロの絵から感じるのは淋しさ。

なんだろう?
なんでこんなに淋しいんだろう?
町並みを描いていても、人々があまり居ないからなのか?

どうもそうじゃないみたい。
しばらく絵を眺めていて気づきました。
空気を感じないんだ。

風景画だったら、その景色の空気。匂い。光。
そういうものが伝わってくるのに、それが感じない。
画家が其処に居て、感じ取ったものを絵の中に描き入れる。
そのときの感情そのものが伝わってこない。
幽閉されていて、実際に街中は歩けないわけだし。
絵ハガキをもとに描いた作品もあることを知って、なんか納得しちゃった。
絵自体は、確かに綺麗で一般ウケしそうだけど、
なんだか空虚な印象。
そうか。これは風景画だけど、ユトリロの心象風景なのかも。
どれも似た風景、どよんとした雰囲気。
ルーチンワークで絵を描き続けたからなのか?
その中で、「あ、ちょっと明るい気分の時があったのかも?」と感じた一枚はコレ。

雲が浮かんでいて、なんだかちょっとこっちも明るい気分になりました。
でもね、全体的にはすごく重たくて暗い。
ミュージアムショップに売られているポストカードのほうが
とっても明るくて、綺麗なんだもの(笑)
このポストカードの絵なら、売れると思う!!!
※ ちなみに、この記事に使った画像は、ポストカードです。キレイでしょ?w
実際の絵より、ポストカードのほうが印象が良い画家は初めてだ(笑)
そういう意味で貴重な経験をしましたw
-----------------------
『モーリス・ユトリロ展』
損保ジャパン東郷青児美術館
2010年4月17日(土)~7月4日(日)
午前10時~午後6時まで(金曜日は午後8時まで)
月曜日休館
この記事へのコメント
タッジーマッジー
お恥ずかしながら、美術の教科書で初めてみました。
胸が締め付けられるような白と、
不自然にゆがんだラインを見たとき、
いつか本物を見てみたいと思ったなぁ。
特に白のマチエールは近くで感じてみたいです。
単騎
ChatBleu
もにょち
知らない画家さんですが…悲しい状況で描いていたのですね…
リュカ
すごい!美術の教科書の絵で、そこまで感じるのは凄いです!
胸が締め付けられるような白。
まさにそうだと思います。
ユトリロを見た後、常設のゴッホの「ひまわり」をみて、心が明るくなりました(笑)
単騎さん
あ、ほんとだ。
確かにそうかもしれないです。空が少ないですよね。
なんだかとても空虚なイメージでした。
ChatBleuさん
印刷物で見る、ユトリロの絵は確かにキレイで優しいです。
でも本物は、なんだかお面みたいで・・・こういう絵、初めてです。
もにょちさん
助けてと書いた紙を、窓の外から投げたというエピソードもありました。
幽閉状態で絵を描いて、どんな気持ちだったのでしょうね。
green_blue_sky
7月4日まで・・・見に行けない。
あお君とキジトラさん、メタボにしないようにしましょう(;^_^A アセアセ・・・
kou
ユトリロは名前を知ってはいるものの詳しくなかったのですが、アルコール中毒だった時期があるのですね。
nano
ポストカードや絵本の挿絵なんかに
合いそうな?いい雰囲気ですね♪
あらっ!たまちゃん。
リュカ
けっこう前から開催していたのですが、
なかなか予定がつかず、会期後半に観に行くことになってしまいました(笑)
キジトラさんも、あおも、メタボ注意ですね~~~
kouさん
7月8月も、いろいろ展覧会行ってきます!!
ユトリロの人生・・・幽閉人生(笑)
ユトリロよりも、感情が絵にあらわれるゴッホのほうが好きだなって思いました^^
nanoさん
そうなんです。ポストカードにはもってこいの作品です。
でも、本物を見てしまったので、ほんとは気分が重たくなる絵だって
分かっちゃった(笑)
たまちゃん
パリの町並みといえば、ユトリロみたいな感じになってしまった画家ですが、
実際は幽閉されていたので、町並みを堪能は出来なかったと思われます(笑)
mami
ユトリロは昔は凄く人気があったんですけどね。
日本人にとってパリがまだまだ遠かった時代に、パリの風景を想像させてくれたからでしょうか。
人間不信で、だからこそ人恋しくて、という寂しさが感じられますね。
リュカ
観に行ってましたよね^^
mamiさんのブログで、ユトリロの生い立ち知りましたもの♪
ユトリロの描いたパリの町並み。
オシャレだな~~って思った記憶あります。
教会に祈る姿を想像したら、ちょっと切なくなりました。
PylorI
色彩はあざやかなんですね…
リュカ
ホントの絵は、もっと印象が違うんですよ。
ユトリロのポストカードは、素敵な印象に変わるので不思議。
他の画家だと、たいていはポストカードをみて
「やっぱり印刷だからね・・・」と、がっかりするんですけどね(笑)
ikuko
大阪はないのかな・・。あとで調べてみます!
リュカ
せっかくいろいろ日本にきているのだから
各地を巡回すればいいのにね。
響
いろんな絵に関する情景が浮かんで楽しめそうですね。
リュカ
一番好きです(^^)
そこから勝手に物語りを展開して楽しんだりしてます。
歌も映画も♪
感情移入出来るものが好きなのでした(笑)
moz
そして、リュカさんと同じような感想持ちました。
ユトリロの生涯の解説文を読むと、とてもかわいそうになって・・・、
そのせいか、画もその感情抜きには見られませんでした。
こんなに一度にユトリロミタコトはなく、その意味ではきちょうな展覧会だと思いました。
何より、ぼくは、彼の画く人物にとても興味を持ちました。
機会があればぼくも画きたいと思っています。 ^^
リュカ
観に行って良かったって思います。
そうじゃなかったら、綺麗なパリの絵を描く人ね、で終わっていたかも(笑)
人物も、いろいろ感じますよね。
mozさんの絵、見てみたいです^^
moz
画くのも好きですが、そんな大それてはいないです ^^;
でも、今年は展覧会不作かと思っていたら、結構、良いのが続いています。西洋美術館も面白そう ♪
リュカ
mozさんの絵が観られるのかと思いましたww
今年、なにげに面白い展覧会がきてますよね。
西洋美術館は、明日、仕事の帰りに行ってみるつもりです♪
初めて日本にやってくる美術館なのですよね~。
どんな作品がみられるか、楽しみです。
シービーちゃん
リュカさんの記事の通り、綺麗なんだけど、なんだか淋しげで、冷たい感じがしますね。やっぱり、生活や背負っていたものが、作品に出ているんでしょうか。人間が描かれていないのは、ひょっとしたら人間が嫌いだったのかも!
リュカ
そうなんですよ。ユトリロ、人間不信だったみたいです。
母やのちに結婚して、そしてその妻に幽閉されて
絵を描いていたそうです。
いろいろ心に思うものはあったのだろうなって思います。