
ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョ(1571-1610年)
38歳で世を去ったイタリアの大画家。彼の作品の影響を受けた画家たちによって、のちにバロック絵画が花開いたといっても過言ではないかな。
2週間絵を描いては、その後しばらくの間は夜の町で荒れた生活をし、あげく殺人を犯して逃亡するという波瀾万丈な人生。今回の展覧会では、カラヴァッジョの作品が 10 点。それから、彼の画法に影響を受けた継承者 「カラヴァジェスキ」 の作品をあわせて 50 点くらいが展示されていました。

カラヴァッジョの描く作品って、たとえ神話を題材としていても 「神」っぽくなくてリアリズム。どこまでも現実的なので、親近感を持って観ることが出来るのかな〜なんて思っちゃう。
この 「ナルキッソス」 も。

ナルキッソスはギリシア神話に登場する美少年です。水面に映った美しい少年。自分自身のその姿に恋をして、口づけをしようとする姿。半開きの口と、うっとりした表情がとっても良かったです。
聖人だって若い肉体!こちらは 「洗礼者聖ヨハネ」 です。

なんだか映画のワンシーンを観ているかのよう。こんな聖者だったらうっとりしながらお話を聞いてみたいなんて思っちゃったわ(笑)
キリストも、もしもイバラの冠や杖がなかったら、私には普通の人間に思えちゃうよ。
この作品は 「エッケ・ホモ」 という作品。

エッケ・ホモというのは、ラテン語で 「この人を見よ」 という意味なんだって。新約聖書の一節らしいです。同じ題材の作品比較として、チゴリという作家の作品も展示されていました。
こちらのほうは、劇場チックで、私にはちょっと白々しく感じちゃった。
カラヴァッジョの、劇的ではない落ち着いた作風は、彼自身が殺人を犯してしまったあとの作品から多くなったようです。カラヴァッジョは宗教絵画の伝統的な表現を一新したけど、図像の内容は教義に違反してないんだって。
さてさて。今回の展覧会の目玉は、本展が世界初公開となる 「法悦のマグダラのマリア」 です。長い間行方不明だったこの作品が2014年に発見されて、カラヴァッジョの真筆だと認定されたのです。

カラヴァッジョが殺人を犯してローマから逃亡した直後に描かれた作品。
娼婦だったマグダラのマリアは、キリストに出会ってその罪を悔い改めた人物。この作品は、洞窟の中で修行をした晩年のマリアなんだそうです。
最初は恍惚とした表情に見えてしまって、ほんとに修行したマリアなの?なんて思ったのですが、しばらく絵の前に立っていたら、印象が変わってきました。
キリスト教の修行がどんなものかは知らないけど、たとえば厳しい修行をして肉体も精神も極限状態になったら、、、悟りを開く瞬間に人はこういう表情をするのかななんて思いました。視線の先には神 (若しくは救い) を見ていたのかなーなんて、そんな風に感じたよ。
逃亡しているカラヴァッジョの精神状態も反映されてるのかな?
こんな風に10点も来日することは滅多にないので、面白い展覧会でした。
混雑必至だろうね(笑)
あ、そうそう。今回の展覧会ではウフィツィ美術館所蔵の「メデューサの首」よりも先に作られたと認定された vol.1 バージョンのメデューサの首の盾も展示されてます!
展覧会あとは、恒例のラーメンを食べて家に帰りました。

ナルキッソスあおくんもパチリ。

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カラヴァッジョ展
国立西洋美術館
2016年3月1日〜6月12日
9:30 〜17:30 ※ 金曜は 20:00 まで
http://caravaggio.jp/index.html
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今年の秋はダリもやってくるんだね!
ダリ展、かなり久しぶりかもー。観に行く予定♪

2016年9月14日〜12月12日まで。国立新美術館で開催です。

この記事へのコメント
あとりえSAKANA
高尚で美しいカラヴァッジョの絵画より、
ラーメンとあおくんの方が気になります!
どちらも魅力的♪
るね
勝手なことを言えば、六本木より上野か竹橋でやって欲しかった……なんて。
りみこ
ラーメン、美味しそう…お腹空きましたσ(^_^;)
さる1号
ダリも楽しみだなぁ^^
moz
これだけ一度に見られる機会はなさそうですものね、行かなくては ^^v
ボティッチェリもダ・ヴィンチも来ているし、見に行かなくてはならないものがたくさん過ぎです ^^;
てんてん
腹筋鍛えてたのね^^;
toshi
このラーメンの容器、面白いですね。
mitsuya
YAP
カトリーヌ
というレベルですσ(´ω`*)
色っぽさを感じる絵だなーと思っちゃいました。
あおくんはナルキッソスになって当然の
美貌ですもの(*´︶`*)
侘び助
今年もどこかに・・・応募してニャ~
えーちゃん
またオフ会なんですよ(^^;
ちょろっとぶぅ
まつき
修行済と言うより、満腹で伸びてるウチの母にそっくりです(笑)
ponnta1351
光と陰の明暗の技術が魔術師の様。
昔、庭園美術館で観たり、ロシアのエルミタージュ、イタリアのウフィッツ、ボルゲーゼ美術館で「リュートを弾く若者」や「バッカス」など観ましたよ。
「・・・マグダラのマリア」は何処の所蔵なんだろう?
kuwachan
これだけの点数が集まることは滅多にないだろうから混雑も当然よね^^
会期は6月までね~、できたら行きたい!
シルフ
他のカラヴァジェスキ作品もレベル高そうだし。
ダリ展は相変わらずの貧相な作品集めで、新国立美術館の学芸員のレベルの低さに合わせてるって感じ。(はっはっは。生意気ですなぁ)
国内でももっと素敵なオブジェもあるんだけどね。ダリに関しては
もっとすごいレベルの作品を近々に見に行く予定です。はっはっは。
Ynyan
ちょっと頑張って作ってみよかな!
とりあえず お気に入りの60枚の写真をアップしないとダメですね(^_^;A
リュカ
ラーメンはピーナツバターのようなものが入っていたのですが
それはいらなかったなww
るねさん
分かります!
わたしも六本木よりは上野や竹橋に来てほしい(笑)
そっちのほうが好き・・・w
りみこさん
明日から急きょ札幌に帰るんですけど
荷物まとめていたら、あおがグレました^^;
夜中もグズって大変で寝不足です・・・
わたしもあおと離れたくないよぉぉー(笑)
さる1号さん
マグダラのマリア、ぜひぜひ会いに行ってください♪
なかなか良い展覧会でした♪
mozさん
10点くるのは、すごいなって思いますよね。
他の作品もとても良かったですよ!!
娘さんもぜひぜひーーー^^
てんてんさん
このキリストはカッコ良いよねw
toshiさん
なんか聖者っておじいちゃんの印象があるので
かなりビックリしました(笑)
ラーメンの器、個性的ですよね。
mitsuyaさん
たなみちゃんがきっとムードメーカーになってくれてますよね^^
これからも宜しくです^^
YAPさん
人間的にはどうしようもない人物だったのだろうなーって
思っちゃいます。でもカラヴァッジョの作品に惚れ込んだ人も多かったのも事実なんですよねー。画家ってそういう崩壊してるところある人多いですよね。
カトリーヌさん
そうなんですよ。色っぽいの^^
今回、来日はしてないけどもっと好きな作品いろいろあります。
惚れぼれして観ちゃうのー(笑)
リュカ
あおはいろんな表情見せてくれますーーー^^
男前なのよん♪応募しなくちゃねw
えーちゃん
お。今日もオフ会なのですね!!
盛りあがりますように ^▽^)b
ちょろっとぶぅさん
前に展覧会に行ったときは、ダリをプロデュースした奥さんの手腕にビックリしたのよね~(笑)
まつきさん
気になるよね!わたしもアレなんだろう?って思いながら観てました。
スイカに見えるww
ponnta1351さん
行ってきましたー!カラヴァッジョ!!
ponnta1351さんは本場で観てるんですよね~。
いいな^^
法悦のマグダラのマリアは個人蔵だそうです。
どんな人が持っているんだろうねー^^
kuwachan
わたしは、朝一番で行ったので
まだそんなに混雑してなかった。でもテレビでやったら一発で混むよね。
やっぱり会期早めがお勧めだとおもうよ。
シルフさん
行ってきました!!
面白かった^^
そうなの。カラヴァッジョ以外のカラヴァジェスキの作品も
なかなか良かったですよー。見入っちゃいました^^
ナルキッソス、本物を見たのは初めてなんだけど
いいですねー。こーゆーの好き(笑)
新美術館はねぇー。シルフさんが言いたいのも分かるw
ほぅほぅ。どこに作品を観に行くのかしらー^^
Ynyanさん
そうなの!インスタで簡単に写真集できますよ^^
60枚たまったらぜひぜひーーー^^
ゆきち
あっ、でも圧倒的にあお君の方がタイプです♪
風来鶏
今でも、ルーブル美術館の“ガラスのピラミッド”の下に眠っているのでしょうか?!
夏炉冬扇
そのころの方がしあわせかも…
足立sunny
マグダラのマリア(という本のなかで)、昨年本を読み始めたのですが、まだ少年のイエスと旅の途中で知り合った、ところまでで・・・気になりますよね。
ChatBleu
どうやったらこんな風に描けるんだろう。
ダリは私でも知ってました(^^;)
ぜふ
この肖像もモナリザのようなナゾの表情ですねー。
あおくんは判りやすくナルシスの表情^^
S北斗
母上、骨折ねぇ~。
今年は、多いみたいですね。屋根から落っこちて亡くなるというケースも多いような・・・。
今日から、天気が回復傾向ですよ。
といも暖かな日で、雪降っても溶けてます。
札幌は、小路に入ると除雪してなくて、オフロードコースのようになってます。
気を付けて。
きよたん
観に行きたくなりました
今年は日本イタリア国交150周年だそうで
たくさん彫刻や絵画がくるようですね
リュカ
でしょw
聖者がイケメン!どきどきしちゃいますよー(笑)
私は早くあおに合いたいです^^
風来鶏さん
ダヴィンチコードは面白かったですね。
ダンブラウンのインフェルノも映画化ですねー。
原作はだいぶ前に読んだので、話し忘れちゃったな(笑)
映画見る前にまた読み返さなくちゃ。
夏炉冬扇さん
確かに今は信心なさ過ぎですよね。
変な風に解釈されて自爆テロの人たちも居るし・・・
足立sunnyさん
そうです。それでナルキスト^^
マグダラのマリアという本があるのですね。
図書館にあったら私も借りて読んでみようかな♪
ChatBleuさん
美術館で絵を見たときに気に入った作品は感想をメモしながら鑑賞してるんだけど、そのメモ書きに「どうやって描くの?」って走り書き(笑)
マジそう思いますよねww
どうやって描くのーーーー???
ぜふさん
あ。私も聞いたことがあります。モナリザのモデル^^
カラヴァッジョの作品も、いろいろ見る人によって
ちがう解釈が出来そうな感じですよね−。
リュカ
昨日と今日でダイブ雪が溶けて、路面がぐちゃぐちゃだし
日陰は凍っているし、わたしまでつるつる滑ってました。
転ばなくて良かった。
いったん東京に帰って、また来週来ます・・・
しばらくは頑張るわ!
きよたんさん
カラヴァッジョ、おすすめです!
10点そろうのも、なかなかないことだから貴重な展覧会かも♪
dezire
私もカラヴァッジョ展を見てきましたので、作品の画像やご説明を読ませていただき、カラヴァッジョの絵画のインパクトの強い光の表現など、カラヴァッジョの絵画の感動が追体験することができました。『エマオの晩餐』の闇を切り裂くような光の表現、『ナルシス』の刹那的に美しく表現、死の間際のマグダラのマリアが神と一体感になった法悦に浸っていることを見事に表現した『法悦のマグダラのマリア』なども劇的な明暗法によって浮かび出る人物表現と「光と影」の自由な感動的表現とどんな場面にも美しさが潜ばせる独特の美意識にカラヴァッジョの魅力を感じました。
今回のカラヴァッジョ展からカラヴァッジョの絵画の魅力と、なぜカラヴァッジョが美術史を塗り替えるほどの影響力を持ったのかを考察してみました。読んでいただけると嬉しいです。ご意見・ご感想などコメントをいただけると感謝いたします。