渋谷の松濤美術館で開催している「終わりのむこうへ:廃墟の美術史」です。

ソネブロにも廃墟ハンターの方がおりますが、わたしも「廃墟」という言葉の響きが結構好きです。
日本美術史の中では、まれな例外を除いて近代までは廃墟を描いた作品はなくて、鑑賞の対象とはされてこなかったようです。でも西洋美術では風景画の一角に繰り返し描かれてきた廃墟。まあ、この場合はギリシャ・ローマ時代の遺跡なども含まれるんだけど^^
この展覧会では、ポール・デルヴォーの作品がけっこう観られることが分かったので行ってきたのでした。デルヴォーは幻想的な世界を描くんだけど、その中に廃墟や神殿が描かれていて、やっぱり「廃墟」と言ったらわたしはデルヴォーが浮かんでしまうのだ^^

ローマの古代遺跡を描いた作品(ジョヴァンニ・バッティスタ・ピラネージ作)がパネル展示されていました。これは撮影OKだったよ。

18世紀から19世紀には、ヘルクラネウムやポンペイ遺跡などの発掘が相次いだので、廃墟というものに関心が高まったみたいです。
日本では洋画教育の中で「廃墟」が伝播したそうで、海外留学組が実際に見てきた神殿跡などを描いたんだって。確かに神殿跡なんかは、描きたい!って思う気持ちも分かるなあ。
こういう草が生い茂る風景も、過ぎ去った文明を感じるよね。

人間の営みと過ぎ去った時間。何とも言えないノスタルジー。

ポール・デルヴォーの作品も堪能してきました。
こういう作品です^^

19世紀から20世紀に活躍したベルギー生まれの画家です。
観る人によって、いろんな思いが湧いてきそうな作品。月明かりの中にたたずむ女性達は現実の世界ではないところに存在していそうで好き。
現代作家による、未来の廃墟作品もいろいろありましたよ。

廃墟になった渋谷の風景。
朽ちて自然に覆われていく国会議事堂の作品もありました。
この白い廃墟世界も、なんか惹かれました。
穢れのない廃墟っていう感じで、このまま永遠に残っていてほしいと思わせる雰囲気^^

時が止まったかのような静かな空間で、いろいろな廃墟風景を楽しみました。
どんなものもいつかは無くなっていくんだよね。そんなふうに思った展覧会。わたしが働いている会社も来年解散が決定になったので、いろいろ重ねながら、まさに今年最後にふさわしい展覧会だったなーなんて思って観てきたよw
ランチは駅に戻る途中にあった俺流のラーメン屋サンで。冬季限定のゆず辛塩ラーメンだったかな?

お腹いっぱい^^
***********
終わりのむこうへ : 廃墟の美術史
渋谷区立松濤美術館
2018年12月8日~2019年1月31日
http://www.shoto-museum.jp/exhibitions_current/
この記事へのコメント
猫毬
猫毬も一時期その世界(廃校カメラマン)
へ行こうと思ったことあるんですよね^^;
きっかけは母校の廃校で。。。。
実際に廃校前の写真を撮りに行った時の、
なんつーかこの、
本来そこに居る筈の主役(人間)が全て消えた後の、、
人工物が、、まるで生きているように感じました。
大変興味深い体験だったなぁ…。
母校に取材を申し込んだのは、卒業生で猫毬だけだったらしいw
せちがらいのぅww
erena
リュカさんの今の気持ちともリンクしたのですね。
kiki
以前住んでいたアパートが取り壊しで封鎖されて、
廃墟のようになっているのをグーグルマップのストリートビューで観た時寂しさがやってきました(ヤッパリ画面の向こうだけど)
今は立派なマンションが建っているようです。
takenoko
横 濱男
冬季限定のゆず辛塩ラーメンの「辛」が無いラーメンだったらいいな。。
ニコニコファイト
ma2ma2
廃墟は軍艦島に行ったことがありますが、良い廃墟でした(^^)
通常の王将は京都発祥で、それと区別するために大阪王将が出来たみたいです(^^)
ChatBleu
こう見えてビビりなのよ(^^;;
YAP
さらっと書かれていますが、リュカさんのお勤め先の解散?それは一大事件ですね。
来年は激動の年になりそうですか?
りみこ
時をどのようにでも操れる感じがとても楽しそうですね
寒いのでラーメンが沁みますなぁー
リュカ
そっかー、猫毬さんだけが取材を申し込んだのですね。
みんな興味ないのかな。
わたしも母校が廃校ではないけど、合併されたってことを知ったときに学校に電話して許可貰って、観に行って写真撮ってきたのに。
メモリアルルームが作られていて、そこには思い出がいっぱいでしたよ。
erenaさん
面白かったのが、西洋では遺跡発掘ブームがきたときに、廃墟を描いた絵はがきなんかがすごい売れたみたいです。
なので、より売れるように、写実よりも画家のイマジネーションもふんだんに盛り込まれた絵はがきが作られたらしいです。
わたしも会社がなくなるしー、いろいろ思うところがあった展覧会でした^^
kikiさん
自分の住んでいたところが廃墟のようになっているのを見るのは、なんともいえない気持ちになるだろうなーって思います。
takenokoさん
あー、たしかにそういう廃屋はいろいろありそうです!!
リュカ
描くのが大変そうな廃墟だからこそ
画家の腕の見せ所だったかしら?^^
普通のゆず塩ラーメンもあった気がしますよ!うそかな?^^;
ニコニコファイトさん
ニコニコファイトさんなら、どんな廃墟に塗り上げますか~?
ma2ma2さん
西洋の石の文化と、日本の木の文化の差なのかなーなんて、廃墟作品をみながら思いました^^
日本での廃墟の作品は、戦争で使われてもう使われなくなった船の絵とかでしたよ。軍艦島はすごいですよね。わたしも行って圧倒されました。
ChatBleuさん
うん。ビビリ~なのは知ってる(笑)
リュカ
本当に、栄えていた過ぎ去った頃と今のギャップが、人をなんともいえない気持ちにさせますよね。
うちの会社は個人事業に毛の生えたものなので、大手との取引がなくなると体力はありませんでした(笑)
社長は東京の家を売って実家に帰るそうです。さあ、わたしはどうしましょう!どうやっても環境の変化のある2019年になりますね。
りみこさん
ここの美術館自体が、素敵な建物で
廃墟の作品にピッタリな感じだったんですよー^^
ラーメン食べて汗かきました(笑)
夏炉冬扇
こちら小雨、
tsun
marimo
ポール・デルヴォー、独特なタッチですね。
現実ではない世界って・・・なるほどそうも見えますね。
廃墟、神戸にも有名なのがあります「オテル・ド・摩耶」だったかな?
廃墟ハンターの名所みたいです。
リュカ
降り出しましたか~
こっちも崩れてくるかな?
tsunさん
こんなふうに建物はしばらく残るんでしょうね~
映画の世界みたいw
リュカ
この日も担担麺にいこうと思ったのですが
行きたいお店が混雑していた諦めました(笑)
デルヴォーの世界好きなんですよ~
この人はお母さんの影響下にある人で、かなりお母さんに縛られた人だったみたい。
神戸の廃墟!!オテル・ド・摩耶ですね。あとで検索してみます^^
Boss365
「廃墟の美術史」面白い企画展です。遺跡の記録・絵画とも感じられます。小生も廃墟的なモノ好きですが、ポール・デルヴォーの作品評価?に興味ありです。現代作家の廃墟作品も未来想像図的で興味をそそられます!?(=^・ェ・^=)
あとりえSAKANA
廃墟の「絵」はいいですね。ロマンチックです。
実際の廃墟は嫌いじゃないけれど、少し淋しい
でしょう?同じ理由で滝廉太郎の荒城の月も … 。
あら。今日はニャンズがワンカットもないじゃ
ないですかー!さみしー!
旅爺さん
爺は一時廃屋ハンターしてブログ乗せてました。
ゆきち
その場に立つといろんな妄想がふくらんで楽しいです♪
遺跡と廃墟って何が違うんだろう?
文化財として保護されてるのが遺跡なんだろうか???
未来の廃墟がシュールだな~。
ちぃ
ぞくっとしちゃいました。
でもなぜか心惹かれる美しさ・・・
廃墟のキーワードの一つは「静謐」だと思うのですが
何かと気ぜわしく世の中も騒がしいこの時期には
ホッと一息つける時間でもあったのではないでしょうか^^
廃墟は人っ子一人いないイメージですが遺跡は観光客が溢れかえっているイメージw
ローマの遺跡なんて(有名どころは)テーマパーク状態でした(⌒_⌒;
リュカ
この企画展は面白かったです。
展覧会の切り口も良いですよね。楽しみました^^
デルヴォーはベルギーの幻想画展みたいな感じの展覧会では絶対出てきます(笑)
現代作家の作品は映画のワンシーンを観ているかのようでした^^
あとりえSAKANAさん
明日は2ニャンの写真も載せるようにしますね~(笑)
荒城の月も少し寂しい感じがしますね。確かに!
でもただ悲しいというのとは違うんですよね。
旅爺さん
ソネブロの有名人です。廃墟ハンター(笑)
旅爺さんは廃屋ハンターだったのですね!!
リュカ
海外旅行で遺跡巡りいいなあ~^^
わたしは本や映像、展覧会でしかしらないので
羨ましいです^^
遺跡と廃墟の違い・・・この展覧会で描かれていたような19世紀まではあまり区別は無かったのかもって展覧会を見ていて思いました。
今はきっと、維持管理されてるものが遺跡でしょうかね??多分w
ちぃさん
ほんと、渋谷の作品なんてまじで近い将来を見てる感じですよね~
こうならないことを祈るよ。
確かに今の遺跡っていうのはテーマパークと化してるっていうの分かるわ~~
何処に行っても観光客だらけ!
廃墟はまだ、一部のマニアって感じよね^^
この展覧会は面白かったです。行って良かったわ^^
raomelon
来年も、リュカさんの記事を楽しみに
あおくん、うみちゃんに癒されに来ますね♪
来年もどうぞよろしくです!!
よいお年をお迎えくださいね^^
moz
今年も沢山の展覧会記事、ありがとうございました。
来年も期待してます。
じぶんも昨年よりは少し展覧会に行けた1年だったと思います。来年はとにかくクリムトとシーレですね。今から待ち遠しいです。
廃墟の美術史は我が家でも話題になっています。もしかしたら年末に行くかも? ^^;
カトリーヌ
アートで想像している分にはいいですが
実際廃墟って怖いです(;;Φ Φ)
夜とか絶対近づけない(笑)
この前TVでエジプト関連の特集を見た
のですが、夜の王家の谷はとてつもなく
怖いだろうなーと思いました^^
リュカ
今年も、あおうみの写真を見てくれてありがとうでした^^
来年もよろしくお願いします!
元気な2ニャン記事をお届けしますー^^
良いお年を♪
mozさん
廃墟の美術史面白かったですよ^^
この美術館は空いてるのでのんびり出来るのが良いですよね。
ソファーにもたれかかって寛いでました(笑)
来年の展覧会も楽しみです♪
カトリーヌさん
夜の廃墟は雰囲気ありありで、確かに怖いかも〜〜〜
でも私はうずうずしてノリノリになっちゃうタイプです(笑)
あ!今日のNHK、22:00からツタンカーメンですよぉ
友達から教えて貰いました。録画準備OK!
王家の谷・・・夜いってみたいです。
この世ならざるモノと会話できそうで、いろいろ聞きたいことあるーーーwww
きよたん
久しぶりに松濤美術館に行ってみようかな
リュカ
この美術館の雰囲気にぴったりの展覧会でしたよ^^
ぜひぜひ行ってみて下さい!